日本の女

f:id:shinpe_goto:20160618211617j:image

基本的に男服しかやるつもりがないわけですが、縁あって女性の衣裳スタイリングをさせてもらいました。

服をつくる感覚で取り組むという事を意識して、どう組み合わせるかというよりも、1つの服として成立させようと臨んだわけです。

とにかく表現したかったのは
日本の女の色気と気合い。

いわゆるkawaiiとまとめられる女の服にうんざりしていて、それ故に女の服はやりたくありませんでした。
だからこそ、この機会に日本の女のパワーを魅せてやりたいなと。

日本人は西洋の美学が正解というのが自然と根付き、それに違和感を持ちながらも決して手を挙ることはありません。

それはコンプレックスでもあり、目指す場所が常に西洋である為、結果的にそれ以上にはなれないのです。
背伸びしても、ジャンプしたって越えられない壁なんです。

それがどうした。
と言ってやりたい。

壁は目の前に立ちはだかるものかもしれませんが、壁に背を向けて自身の故郷に立ち返ってみて欲しい。そこに、自分の新しい道を築いて欲しい。


キーとなる、日本の強烈な紅色のシャツを忍ばせ、ボディコンシャス皆無の3タックのギャバジンパンツを穿く。
そこに本来ショールに使う別珍を帯として巻きつけ、その上からはナローベルトを走らせる。
インナーのアロハシャツは襟を内側に折り込んだ着こなし。皮肉と愛嬌を込めて。

そこへ、まるで西洋のオーバーコートのように美しい着物をガバッと羽織れば
安心して良いよ、君は日本の女なんだから。
と全てを肯定してくれる。

西洋的にも、和服的にも邪道。
でも凝り固まった西洋や和服の美意識もこれくらいやらないとぶっ壊せないでしょ。

2016年の新しい衣服のあり方があっていいはずだ。


レディースやろうかな。笑。


f:id:shinpe_goto:20160619095602j:image